歴史の雫

タナカ(ミャンマー)

 

 

 

ミャンマーの伝統的な化粧品「タナカ」。MUREAEXOTICA(日本名:ゲッキツ/ミカン科)の木を、水を少し入れた石のすり鉢ですりおろしたもの。顔や体に塗る。清涼感があり、日焼け止めやかゆみ止めとしての効果も。また香水がわりに香りを楽しみ、薬として子供が口にすることもある。写真のもので、約500円、女性一人が6ヶ月間使用できる量。子供と女性だけがタナカを塗り、大人の男性は使用しないとのこと。西洋的なメイクが一般的になった今も、多くの女性がファンデーションの上にタナカをうすく塗ったり、家の中で使ったりしているそう。

パキスタン?枕カバー

色彩豊かな生地にスパンコールがちりばめられた豪華な枕カバー。「パキスタンは昔から、装飾的な刺繍を施した布の美しさと多様性で有名で、刺繍は日常生活のいろいろなところで使われています。この手作りの枕は、パキスタンの農村部(特にシンド州)で作られる刺繍の良い例です。結婚式で飾られ、両親が自分の娘に贈るものです。文化や伝統だけでなく、パキスタンの農村部の女性の勤勉さと芸術性があらわれています。都市化が進み、生活様式も変化して、都市部では展示品として使用されるだけになっていますが、農村部では今も受け継がれています」(2013年ふれあい交流祭りにて/協力:Sarwaniさん)

湯婆子(タンボウズ)/中国

湯たんぽs

鋼製の湯たんぽ。昔は皇后や裕福な家庭の子女が使っていたものだそうです。小ぶりで丸みを帯びたかわいらしい形で、膝の上に載せて暖をとります。上海から南方地域で使われるこの湯たんぽは、1990年代には一般の人にも広まりましたが、現在は暖房設備も整い、使われていません。(協力:Mさん)

クローマ(カンボジア)

クメール人のスカーフ


公の行事や結婚式のときはスカーフとして

カンボジアクロマー_5334

 

農作業をするときはハチマキにして。
カンボジアは暑い国なので、着けると涼しく快適です。

カンボジアクロマー2_5338

 

家にいるときは腰に巻いてベルトの役割。

カンボジアクロマー3_5339

 

クメール人のスカーフ。普段使いから改まった場まで幅広く使えます。スカーフにしたり農作業のときに使ったりするほか、シャワーのあと体を拭いたり、赤ちゃんをくるんで抱っこしたり、荷物を包んでカバンのように肩から掛けたりと、いろんなことに大活躍。袈裟のような大きなサイズのものもあります。パゴダ(仏教寺院)では、僧はオレンジ色、一般の人、特にお年寄りは白を着用しますが、若い人は好きな色を選んで使っています。
…………………
※クメール人…カンボジアの人口の90%がクメール人。クメール文化は、歴史上かなり初期(1世紀)に生まれました。アンコールワットはクメール文化遺産の一つです。
(お話/アムナットさん)