:万葉集、短歌、自由詩を読む
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ica「短詩の会」向井志保さんの短歌が産経新聞で紹介されました
きみに聞く尹東柱の訳詩一篇 かく夏の夜の音をしずめぬ
向井 志保
尹東柱に寄せて
今からおよそ百年前、韓国(当時朝鮮)に生まれた詩人は幾篇もの詩を遺した。詩集の題名は『空と風と星と詩』。韓国で国民的詩人と呼ばれている尹東柱である。今では日本でもその詩が人々に愛読されている。
詩人は第二次世界大戦中、日本に留学して、ハングルで数々の詩を書いた。しかし、そのことが当時の治安維持法に触れるとして逮捕され、福岡刑務所で服役中に亡くなった。27歳であった。遺された詩集の一篇が「序詩」であり、多くの人々の心に沁み入る。
死ぬ日まで空を仰ぎ 一点の恥辱なきことを、
葉あいにそよぐ風にも わたしは心痛んだ。…(尹東柱「序詩」より)